河川の季節による水量の違いを問う問題は、単に川の流れ方を暗記するのではなく、その河川がどんな気候の地域を流れていているか、雨の量、乾季の有無、雪解けの時期などを考える問題です。
それでは下のグラフを見ていきます。年間総流量に対する月別河川流量の割合を示しました。値が大きければ流量が多い月ということです。
※参考 UNESCO
エニセイ川 (北海に流れるロシアの川)
河川流量と言えば、レナ川・エニセイ川・オビ川が最も有名です。これらの川は冬になると完全に凍結して流量はほとんどありません。夏になると川の水が溶け、雪解け水も加わって流量が急増します。
ここで注意しなければならないのは、暖かくなるのは緯度が低い南の方から暖かくなります。川の上流の氷が解け始めたとしても北部に位置する河口近くはまだ凍結しているので川の水があふれて洪水が起こります。これを「春を告げる洪水」と呼びます。
冬は完全凍結した川を道路としてトラックが走り、物資を輸送します。夏は運河として物資を運びます。
メコン川
エニセイ川など北部の川は雪解けなどが流量の大きな要因となりますが、一般的には河川流量は降水量にそのままリンクします。雨季は流量が多く、乾季は少ないということです。
メコン川の流域では夏にモンスーンの影響で夏に降水量が増加するため夏の流量が最大になります。反対に冬は大陸からの乾燥したモンスーンが吹くため降水量は減り、流量も少ないのです。
エブロ川
エブロ川はスペインを流れる川です。スペインと言えば、Cs気候で夏に乾燥し、冬に降水量が増えます。それがそのままグラフに現れているのが分かると思います。
ライン川
ライン川はヨーロッパを流れ、大西洋に流れる川です。ライン川は典型的なCfb気候の地域を流れています。
Cfb気候は偏西風の影響を受ける地域と一致している場合が多いと言う特徴があります。偏西風は年中一定の方向、風力なため、降水量は年間を通してほとんど一定です。なので河川流量のグラフも一年を通して大きな変化がありません。