冷帯気候はロシア、カナダ、北欧、アラスカなど比較的緯度の高い地域に分布する気候区分です。冷帯の事を亜寒帯と言う場合もあります。さらに冷帯は北半球にのみ分布しています。冷帯気候はケッペンの気候区分でアルファベットのDで表され、さらに冷帯湿潤気候はDf、冷帯冬季少雨気候はDwと決められています。

冷帯気候の特徴

冷帯は最寒月平均気温が-3℃未満、最暖月平均気温が10℃以上と言う基準で分類されます。緯度が高いため冬の気温は低くなります。それと同時に気温の年較差が大きいという特徴もあります。気温の年較差とは夏の最も暖かい月の平均気温と冬の最も寒い月の平均気温の差を言い、緯度が高くなるほど夏と冬の気温差つまり気温の年較差が大きくなることが知られています。

緯度が高く偏西風の影響を受けます。偏西風は年間を通して西から東へ吹く風です。ヨーロッパに近い地方で偏西風は大西洋から水蒸気を運び、降水量を一定に保ちます。しかしシベリアなどの内陸まで水蒸気は運ばれず途中で雨として降ってしまうので降水量は少なくなります。

冬に猛吹雪が観測されます。風速が大きく、目の前が真っ白になるほど雪を舞い上げるような風が数時間続きます。カナダ、アメリカのグレートプレーンズや五大湖周辺で吹く風をブリザードと呼び、ロシアのシベリアなどで吹く風をブランと呼びます。基本的にこれらは北風です。北からの冷たい空気が南方へ流れ込むために起こります。

冷帯気候の植生

気温が低い地域では育つことのできる植物は限られてきます。寒さに強い植物としてスギやモミの木といった針葉樹林が育ちます。寒さに弱い植物は生き残れないので針葉樹林だらけになります。このような単一植物で構成された冷帯の針葉樹林はタイガと呼ばれます。

針葉樹の利用方法は建材やパルプです。建材として針葉樹が使われる理由は針葉樹は線維が緻密で、まっすぐ育つ木だからです。建物を作る際は柱や梁など、丈夫でまっすぐな材料が必要となります。また、針葉樹を加工して得られるパルプは紙の原料となります。

冷帯気候の土壌

冷帯気候でも北部の寒い地域ではポドゾルという特有の土壌が見られます。ポドゾルは灰白色で痩せた土壌になります。寒い地域では水の蒸発量が少なく土壌では水が下方向に流れます。これにより表面から栄養分が無くなり、地下に移動するので痩せた土壌となります。また針葉樹の落葉が腐ると酸性になるため土壌も酸性になります。

また、冷帯地域は過去の氷河期に氷河で覆われ土壌を削り取られます。土壌が削り取られると痩せた土地になります。地面を耕すと、すぐに岩盤に到達するような土壌となり栄養が保持されないのです。
冷帯でも夏に暖かい南の地域では褐色森林土という肥沃土が見られます。逆に寒い北の地域や内陸では永久凍土が見られます。

冷帯気候の農業

植物の栽培は気温と関係します。寒くなるほど栽培できる作物の種類は減り、寒さに強い植物を栽培しなければなりません。小麦、ライ麦、じゃがいもが寒さに強い植物の代表です。

つまり冷帯地域に住む人はパン、黒パン(ライ麦パン)、ポテトなどが主食となります。ちなみに、小麦よりライ麦の方が寒さに強いので、小麦栽培が盛んな地域より北の地域でよく栽培されます。さらに北に行くと森林が広がり耕作ができない地域となります。

また、酪農が盛んな地域でもあります。土壌が痩せており十分な穀物を育てられません。しかし牧草は育てられるので乳牛や羊など家畜を飼育します。家畜からミルクやチーズを作り冬に備えたり、家畜の糞を肥料にしたりという生活が根付いています。このような農業手法は混合農業と呼ばれ、作った農産物を売る商業的農業に分類されます。

カナダの内陸部では大規模に春小麦を栽培しています。これは企業が穀物を売り利益を得るために育てられ、個人が食用で育てるものではありません。これを企業的穀物農業と呼びます。

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