人口ピラミッドはその国の経済状況、移民、出生率、死亡率、など多くの情報を含んでいるためよく試験に出ます。人口ピラミッドを完全に理解できると単に人口の構成だけでなく、さらに発展した情報の理解にも役立ちます。
例えば下のピラミッドはメキシコ(2010年)の人口ピラミッドです。
- 平均寿命は低い。
- 多産多死であるが、死亡率はアフリカの極度な発展途上国よりは劣悪ではない。
- 発展途上国だが、工業化しつつある。
このピラミッドを見てこれくらいの情報はすぐに分かり、この情報をもとにどこの国の人口ピラミッドか分かるようになります。では特徴的な人口ピラミッドを確認していきます。
途上国は富士山型
富士山型のピラミッドは子どもの人口が多く、大人の人口が少ないことが分かります。つまり大人になる前に亡くなってしまう子供が多いからです。このような国は医療が充実しておらず、平均寿命も低い国となります。
発展途上国に多く、アフリカの国が多く当てはまります。右の人口ピラミッドはナイジェリアのものです。
底辺にくびれがある
右のピラミッドでは低年齢人口が減少傾向にあり、くびれができています。このような形の国は発展途上国から、工業国へと発展しているという特徴があります。このグラフはインドの人口ピラミッドです。
国が発展すると、出生率が低下する傾向があります。医療が発展したり、進学などで婚期の遅れなどが原因です。近年、経済発展が著しいBRICsつまりブラジル、ロシア、インド、中国はこのような形をしています。
少子化対策をしている北欧
どの世代も幅の広いのピラミッドで高齢層と低年齢層の割合があまり変わらないことが分かります。高齢者の割合が高いのは医療が発展した先進国の特徴ですが、出生率も高いのは少子化対策をしているためです。
代表例が福祉大国の北欧諸国で子育てがしやすい職場環境、補助金、低負担の教育費や医療費で有名です。右のグラフはフィンランドの人口ピラミッドです。少子化対策を怠ると、いわゆる、つぼ型の人口ピラミッドになります。
過疎化した日本の都市
人口増加率が減り、就職や進学で都会へと人が流れるため、都会から離れた地域では過疎化が起こります。過疎化地域の特徴として、若者の人口流出が顕著なため、少子高齢化が激しくなることがあげられます。
グラフを見ると逆三角形に近いグラフであることが分かります。右の人口ピラミッドは徳島県(平成22年)のものです。