プレートテクトニクスとは地球の外殻がいくつかに分かれてそれぞれ移動するという理論です。プレートの境界には大きな山脈、深い海溝などがあり、地球上の造山運動や海溝型の地震はこのプレートテクトニクスによって説明されています。
大陸移動説からプレートテクトニクスへ
20世紀初頭、ドイツのウェゲナーは南アメリカ大陸の東海岸とアフリカ大陸の西海岸がぴたりとはまりあうことを発見し、北アメリカ大陸やユーラシア大陸も含めたすべての大陸がかつてはひとつの大きな大陸(パンゲア)であったという大陸移動説を唱えました。
ウェゲナーの説は長らく受け入れられなかったのですが、その後化石分布や古い岩石の分布調査によって大陸が元はひとつだったらしいことがわかってきました。大西洋を隔てているにもかかわらず、南アメリカとアフリカで共通の化石がよく見つかるのです。
大陸移動説から発展した理論として、プレートテクトニクスが発表されました。プレートの移動が大陸の移動を引き起こすという考えにより、大陸移動の正しさが受け入れられています。大陸が動くのでははく、大陸の乗っている地殻そのものが動く、と言うわけです。
熱い味噌汁
ではなぜ地殻が動くのでしょうか。地球の内部はマントルという溶けた熱い岩石でできており、マントルは対流して動いています。このマントルの動きによって地球上の十数枚の地殻がそれぞれ動いていくのです。ちょうど、熱いわかめの味噌汁が鍋の中でぐるぐると動いているように、わかめ(地殻)が汁(マントル)によって動いているわけです。
動きそのものは年数センチといった小さなものですが、長い地球の歴史の中でこの動きが継続されることによって大西洋や太平洋、インド洋といった大きな海が生まれ、またヒマラヤ山脈やヨーロッパアルプス、アンデス山脈といった主要な山脈が形成されました。
プレートの動きでできた地形
プレートは海嶺(かいれい)と呼ばれる多くは海底にある割れ目から生まれ、海嶺から押し出されるような方向に数億年かけて移動してマントル対流の下降部である海溝(かいこう)へむかって沈み込んでいきます。
海溝で沈み込まずに大陸同士がぶつかることもあり、そうした場合はぶつかり合う場所に高い山(ヒマラヤ)などができます。
日本列島は沈み込み帯が多く重なる、地球上でもまれな地域で、それゆえに地震の多発地帯になっています。沈み込み帯の地震は深い場所で起きる規模の大きなものが多く、海中の岩盤が動くと津波が起きます。またプレートの境界は岩石に圧力が強くかかり、マグマが上がってきたりもするので火山も多くなっています。
広がる境界である海嶺でも火山の噴火が起きますが、溶岩が比較的さらさらしているため噴火の様子が日本の火山とは少し違います。アイスランドは海嶺が地上に顔を出している珍しい島ですが、火山の形を見てみると日本の富士山とはだいぶかたちが違うのが見て取れます。
5000万年後、プレートの動きによってオーストラリアはもっとずっと日本に近くなっていて、インドは東に動き、紅海はより広がっているそうです。きっと移動につれて気候も動植物も大きく変わっていくのでしょう。