地球上の様々な地点の気温を考える際、非常に重要なポイントとして緯度と隔海度は気温の年較差に影響を及ぼすという事が挙げられます。この法則を覚えると様々な気候問題を解く際に応用できます。

気温の年較差

気温の年較差=最暖月平均気温-最寒月平均気温です。一年間での最高気温と最低気温の差では無いことに注意しましょう。
イメージとしては夏と冬の寒暖の差ということになります。四季が無く常夏のトロピカルリゾートでは気温の年較差が小さいのです。

隔海度(かくかいど)

隔海度は海、湖から離れている度合いを示す言葉です。海から離れている場合は隔海度が大きい、海に近い場合は隔海度が小さいと表現します。例えば、沖縄県那覇市の隔海度はモンゴルのウランバートルの隔海度より小さいと言えます。

高緯度ほど気温の年較差は大きい

緯度(北緯)

シンガポール

1

香港

22

東京

38

パリ

49

オスロ

60

5都市の雨温図の気温のグラフを重ねました。見て分かる通り緯度が高いほど年較差が大きくなっています。そのため赤道付近では気温のグラフは一直線となり、高緯度の地域ほどグラフが尖っていることが分かります。

これはイメージしやすいでしょう。日本では春夏秋冬という四季があり、気温の年較差が大きいです。一方、シンガポールでは夏夏夏夏で四季が無いため、気温の年較差は小さくなります。

隔海度が大きいほど気温の年較差は大きい

これらの4都市はいずれも北緯50度付近に位置する都市です。隔海度はロンドン→プラハ→モスクワ→ウランバートルの順に大きくなっています。グラフを見て分かる通り、隔海度が大きくなるほど気温の年較差が大きくなるのでグラフが尖っていきます。

なぜ隔海度が大きくなると気温の年較差が大きくなるのか。それは海の方が陸より比熱が大きいからです。具体的に言うと、比熱が大きいものは熱しにくく、冷めにくいというという特徴があります。

昼間、同じ太陽光を受けたとしても、比熱の大きい海水はなかなか水温が上昇しません。一方、比熱の小さい大陸はすぐに地表の温度が上昇します。その逆も同じで、夜になると海水温度は低下しにくく、地表温度は低下しやすいのです。

そのため、隔海度が小さい都市の気温は海水の影響を受け、気温の変動が小さくなります。一方、隔海度の大きい都市の気温は地表温度の影響を受け、気温の変動が大きくなります。

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