大麦は世界でもっとも古くから栽培されていた作物の1つであり、中央アジア原産のイネ科の穀物です。低温や乾燥に強く、小麦の生産が困難な地域において多く栽培されています。
1万年前から栽培されており、パンの製法が確立される前には炒って麦粉にしたものを水に溶かしたり、粗挽きした粥にして食べられていました。古代エジプトでは主食のパンやビールを製造するのに使われており、食生活の中心になっていました。
次第に主食は小麦によるものが主流になり、大麦は醸造や飼料用に使われることが多くなっていきました。
日本にも古くから伝わっており、弥生時代に中国大陸から伝来したと言われています。鎌倉時代には寒冷と乾燥を好むため、米の裏作として大麦による二毛作が増えました。
海外では主食としてはあまり食べられなくなっていましたが、日本では不足しがちな米と混ぜて麦飯としてよく食べられていました。「麦ごはん」は大麦が入っているのです。
用途は主食やビールに使われる他に麦芽に甘味料を加えた、麦芽飲料もイタリアやスペインなどでよく飲まれています。
日本や朝鮮半島では種子を煎ったものを、麦茶にしたよく飲まれます。他にも日本では様々な発酵食品の原料になる麹の原料になり、醤油やみその材料にもなります。お菓子にも利用されておりポン菓子や麦チョコなど原料になっています。
麦芽にはアミラーゼ酵素が含まれ、デンプンを糖に変える作用があるので麦芽糖を生成することが出来ます。若葉を粉末状にしたものが青汁に加工され、健康食品としても飲まれています。