アメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアなどの「新大陸」では、ヨーロッパからの白人移入に伴って、大規模で企業的な農業が発達しました。機械化が進んでおり適地適作により単一的な生産がなされています。

アメリカでは中西部がトウモロコシ・小麦、南部が綿花というように色分けされた地図を見ると思います。

中西部に住む人たちは、トウモロコシばかり栽培していますが、トウモロコシしか食べないわけではありません。

その土地にトウモロコシ栽培が適しているのでトウモロコシを効率よく栽培してそれを売って生活しているのです。

作った作物を大企業が売り、利益を追求するため、とにかく規模がでかい。半端ない規模です。また人件費を削減するために労働生産性が高いという特徴があります。

企業的農業は企業的穀物農業、企業的牧畜業、プランテーション農業に大別されます。
これらの特徴を見ていきましょう。

企業的穀物農業

生産する主な穀物は小麦です。小麦はやや乾燥した地域で肥沃な土壌が必要です。
その土壌としてロシアの「チェルノーゼム」、アメリカの「プレーリー土」、中欧・華北の「レス(黄土)」があります。
小麦は三大穀物(米、小麦、とうもろこし)のひとつで一年と通じて世界のどこかで栽培されています。

企業的牧畜農業

牛・羊などを放牧し、肉類・羊毛などを飼育しています。肉牛は19世紀後半に冷凍船が開発され、ヨーロッパへの輸送が可能になったことで発展しました。

アメリカではフィードロットという飼育方法があり、これはfeed lot ということで、とにかく餌を肉牛に与えブクブクに太らせ、大量に肉を出荷します。 餌としてトウモロコシを与えるため、コーンベルトで飼育されていることが多いです。

オーストラリアではグレートディヴァイディング山脈の西部で牛の放牧、グレートアーテジアン盆地の地下水を与えてで羊の放牧が行われます。

羊はある程度の乾燥には強く、反対に牛は水分が必要です。ここで気候の知識が生かされます。グレートディヴァイディング山脈の西側は沖合の暖流によって雨がもたらされます。

プランテーション農業

ヨーロッパで産業革命以降高まった、工業原料や嗜好品の需要の高まりにこたえるために、ヨーロッパ人が植民地を形成した熱帯、亜熱帯の地域で行われ、安い労働力であった奴隷が使われました。

現代では輸出用商品作物の栽培のことをプランテーションと言い、やはり熱帯、亜熱帯地域で多いです。

作物

適地

原産地

生産上位国(上位順)

天然ゴム Af アマゾン タイ・インドネシア・マレーシア
パーム油 Af ギニア湾岸 インドネシア・マレーシア・ナイジェリア・タイ
カカオ Af 南米 コートジボワール・インドネシア・ガーナ
コーヒー Awの丘陵地 エチオピア高原 ブラジル・ベトナム・コロンビア・インドネシア

※データ出典(データブックオブ・ザ・ワールド vol22 2010 二宮書店)

作物

適地

生産上位国(上位順)

アブラヤシ Af インドネシア、マレーシア、ナイジェリア、タイ
ココヤシ 熱帯の海岸低地 フィリピン、インドネシア、インド
ナツメヤシ 砂漠のオアシス エジプト、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国

※データ出典(データブックオブ・ザ・ワールド vol22 2010 二宮書店)

アブラヤシはパーム油の原料なので同じ順位となっています。ココヤシはココナッツです。ナツメヤシから採られる油は石鹸などに利用され食用ではありません。

パーム油

「あぶら」には液体の「油」と個体の「脂」があり、一般的に植物由来なら、なたね油のように常温で液体、動物由来ならラードのように常温で個体です。これは成分中の脂肪酸の種類によるものです。
パーム油は動物由来の油に近い脂肪酸を成分に含むので植物由来にもかかわらず、常温で個体であるという特徴があります。このパーム油の利用例はスナック菓子などを揚げることです。
お店で売っている菓子は常温ですが、パリッとした食感なのはこのためです。家庭で気合を入れて作ったスナック菓子は一般的な植物油を使って揚げるので時間がたつとベトベトになりますよね。

作物

生産上位国(上位順)

中国、インド、ケニア、スリランカ
綿花

中国、インド、アメリカ、パキスタン、ブラジル、ウズベキスタン

※データ出典(データブックオブ・ザ・ワールド vol22 2010 二宮書店)

茶の生産上位国はかつてイギリスの植民地だった国ばかりです。イギリス人は紅茶が大好きです。しかし、イギリスは茶の栽培には向かない気候なので植民地から輸入していました。

綿花の生産6位のウズベキスタンについてですが、アラル海へ流れるアムダリヤ川、シルダリヤ川の水を使っての灌漑を大規模に行ったことで、かつて湖で世界4位の広さだったアラル海も干上がって小さくなっています。湖の塩分濃度が非常に高くなり、漁業も衰退してしまいました。

お茶

イギリスでは紅茶、中国ではウーロン茶、日本では緑茶というイメージがあります。これら3種類のお茶は基本的に同じ種類のお茶の葉からできます。茶葉を発酵させて褐変させたものから抽出したのが紅茶です。
茶葉を発酵させずに抽出したのが緑茶です。発光を途中でやめて抽出したのがウーロン茶です。
中国からイギリスへお茶の葉を輸出するときは緑茶として輸出されたが、長い船旅中に勝手に発酵し、イギリスについたころには紅茶になっていた。なのでイギリスでは紅茶が発達した。という説もあります。

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