イスラム教の聖地巡礼

イスラム教は、世界で16億人もの信徒を有し、キリスト教に次ぐ規模を誇る宗教です。ムスリムと呼ばれるイスラム教徒は、有名な礼拝や断食など、5つの宗教行為を行いますが、その中にハッジと呼ばれる行為があります。

ハッジではイスラム教の聖地であるメッカに巡礼で訪れます。これは、少なくとも生きているうちに一度は行うべきとされる義務という事になっています。ただ、あくまで巡礼を実行できるだけの体力と財力を有するもののみが行えばよい行為ともされています。

ハッジは、ムスリムにとって人生の大きな目標です。それは、信仰を強め、それをまっとうする自分自身を、より確かなものにするという性質を持つからです。

日本人的にいえば、この巡礼の日を一世一代の晴れ舞台ととらえ、そのために、日々の生活と信仰に励んでいるのです。こういった性質により、ハッジを行った人は尊称を得られますが、社会的地位が上がるわけではありません。

ハッジの準備、服装

ハッジは、イフラームと呼ばれる状態に入ることから始まります。これにはまず、服装を巡礼にふさわしいものに替えなければなりません。

とくに男性は、決まった形式のものを身につけることが義務付けられています。これは、全ての人間が同じ服装に着替えることにより、王族だろうと貧民であろうと、そこに差異は存在しないということの象徴であるのです。

着替えたのちは、イスラム教の遺構を巡り、アブラハムとハガルという2人の聖者の生涯を偲び、そしてムスリム同士の一体性を表す儀式を行います。

ハッジの準備、ウムラ

現在、ハッジ(大巡礼)の前はウムラ(小巡礼)を行うことが習わしとなっていて、次のような儀式を行います。

カアバ神殿の周りを計7回、反時計回りに周り、そして2つの丘の間を、これも7回駆け足で移動するというものです。ここまでの一連の儀式をウムラといい、少巡礼とも呼ばれます。これをやり遂げると、普通の服装に着替えることができます。

そして、ムスリムたちは聖地からメディナへと移動し、預言者のモスクなどを訪問します。そして一晩、もしくはそれ以上滞在したのちに、聖地であるメッカへ戻ることになるのです。

カアバ神殿はメッカの中心部にある黒い立方体の建物で、テレビや写真などで見たことがある人も多いかと思います。これを中心に莫大な数の人が巡るため、転倒などの事故が問題になります。

ハッジ本番

メッカとはイスラム教の開祖である、預言者ムハンマドが生まれた土地です。この始まりの地でハッジのクライマックスに入ります。

巡礼月の第8日にメッカからミナという町に入り、翌朝に、ムハンマドが最後の説教をしたアラファト山に登ります。そこで、自らの人生を思索し、神との対話を行ったのち、再びミナに帰ります。

道中で拾った石を用い、そこから3つの壁に向かって、規定された期日以内に石を投げることが義務付けられます。これらの儀式を全て終えると、晴れてハッジは終了し、新たな人生を歩むことができるのです。

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