ヒンドゥー教の歴史

バラモン教
バラモン教はもともと仏教興起以前のヒンドゥー教のことで、ヨーロッパの人達からみてバラモンが司祭し、指導したことからこの名がつきました。古代インドではバラモン階級を頂点とする四階級からなる四姓制度(バルナ)を発達させました。

そして4つのベーダである①リグ・ベーダ②サーマ・ベーダ③ヤジュル・ベーダ④アタルバ・ベーダとそれに付随するブラーフマナ・アーラニヤカ・ウパニシャッドを天啓聖典(シュルティ)とみなして編纂しました。

ベーダを根本聖典としたことからベーダの宗教とも呼ばれています。バラモン教はこれらのものを絶対的権威として崇めています。紀元前3世紀頃から大きくなっていくヒンドゥー教と区別するために、西洋の学者が与えた呼称で、特定の開祖を持たない宗教ともいえます。

そして、自然崇拝・宗教儀礼・呪術といったものから哲学的思想まで網羅しています。宇宙の唯一の根本原理としてのブラフマン(梵)しかり、業(ごう)・輪廻(りんね)・解脱(げだつ)の思想を確立させたウパニャッドも、インドの思想や文化の中核となっています。

カースト制度
バラモン教にはカースト制度がありヒンドゥー教やインドの文化に大きく影響します。
①バラモン(司祭階級)
②クシャトリヤ(戦士・王族階級)
③ヴァイシャ(商人・庶民階級)
④シュードラ(奴隷階級)

さらにこれらのカーストに収まらない人たちが存在します。それはこの階級以下のバンチャマ(不可触賤民)という階級で、アウトカーストとも呼ばれます。そしてカースト間の変更はできず、異なるカースト間の結婚はできません。

身分や職業は世襲制のため、バラモンたちは他の階級の人たちが上の位にならないように自分たちの地位をかためたとの見方もあります。

輪廻、生まれ変わる
バラモン教の教義において重要なのは天・地・太陽・風・火などの自然であり、司祭階級が行う祭式を中心とした生活です。人間が現世で行った行為は業やカルマと呼ばれ、そのことが原因となり次の世である来世(生まれ変わりの運命)が決まると信じられています。

この来世こそ輪廻であり、人々は悲惨な状態に生まれ変わることをとても不安に思い恐れていました。そのため無限に続くこの輪廻の運命から抜け出す解脱(げだつ)の道を求めることに救いがあるとされています。

しかし、最下位のシュ-ドラは得を積んでも結局は永遠にシュードラで、生まれ変わっても上の階級になることはできないとされ苛酷なものでした。

神聖な牛
インダス文明の印章にも牛が描かれていますが、インドで発展したバラモン教やヒンドゥー教では神聖な動物として扱われ、牛を崇拝していました。

牛肉を食べることが禁止になったのは農耕時になってからといわれていますが、特にアーリア人がガンジス川流域に進出して牛を使って畑を耕すようになってからです。

バラモンは司祭階級のことですが、正式にはバラーフマナといいます。そして、祭祀を通じて神々と関わる特別な権限を持っていることから、宇宙の根本原理であるブラフマンに近い存在なので敬われていました。

ヒンドゥー教の誕生
紀元前5世紀以降になると仏教やジャイナ教など多くの新しい宗教や思想が生まれました。経済的にも発展したバラモン以外の階級が豊かになったこともあり、カースト制度やバラモンの特殊な成り立ちに不満を持つ人たちがクシャトリヤなどを支持するようになりました。

ヒンドゥー教では、背中にコブのあるインド瘤牛を聖牛としています。この牛の身体には神が宿っているとされ、殺してはいけないし食べることも許されていません。一方で水牛は魔神の乗り物とされ忌み嫌われています。そのため祭りの時は犠牲獣として山羊と一緒に殺されます。

そうして4世紀頃になると他のインドの民族宗教など様々な要素を取り入れられて、再構築されたことで今日のヒンドゥー教へと発展。継承されてきたのです。

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