東南アジアの旧宗主国はどこ?独立後も植民地に残った影響とは?

現在の日本のように、他国から干渉されずに政治を行うことができる国を独立国と呼び、現在では多くの国が独立しています。

しかし、かつては他国に支配された植民地が多くありました。植民地では支配する国の文化が取り入れられるため、現在でもその文化が残っています。

ここでは、東南アジアについて植民地時代にどこの国が支配していたかを解説します。

植民地と宗主国の関係を簡単に説明

15世紀のヨーロッパでは大航海時代に入り、多くの探検家が新たな土地を発見しました。このとき、ヨーロッパの人々は新大陸にある資源を獲得することが活発に起こりました。

このとき、武力によって強制的に土地が略奪され、銀や香辛料といった資源がヨーロッパに送られることになりました。このように、武力によって奪われた国を植民地と呼びます。また、植民地を統治している国のことを宗主国と呼びます。

植民地をたくさん持っていると、資源を調達できたり、労働力を獲得できたりと宗主国にとっては都合がいいものです。

一方で植民地では貴重な資源がヨーロッパの宗主国に奪われたり、差別が行われたりするなどデメリットが多くありました。しかし、ヨーロッパの武力には敵わないため、植民地化を受け入れるしかなかったのです。

植民地では原住民は不平等な扱いを受けるため、ストレスが溜まります。そのため、植民地から解放するための運動が盛んに起こりました。特に、第二次世界大戦後に多くの国が独立を果たすことができました。

しかし、植民地として支配されていた時間が長かったため、宗主国の文化が植民地にかなり根付きました。そのため、宗主国と植民地では言語や宗教など文化的な共通点がたくさんあります。

東南アジアの旧宗主国一覧

植民地を増やせば資源が手に入るため、宗主国にはメリットがあります。そのため、18〜20世紀にかけてヨーロッパでは「植民地をたくさん増やそう!」という考え方が浸透し、様々な国が植民地を増やしました。

このような流れを欧米列強と呼び、東南アジアではヨーロッパ諸国によって土地の奪い合いが起こりました。その結果、以下のようにヨーロッパの様々な国が東南アジアを実効支配していました。

上図では色ごとにかつての宗主国(旧宗主国)を分けています。その内訳は以下のようになります。

旧宗主国 旧植民地
イギリス インド、バングラデシュなど
フランス カンボジア、ベトナム、ラオス
オランダ インドネシア
スペイン フィリピン
ポルトガル 東ティモール

東南アジアで植民地になっていない国はタイ

上の地図を見るとタイは植民地支配を受けていないことがわかります。また、タイを境にイギリスとフランスが植民地支配しているという形になっています。

これはイギリスとフランスが条約を結んでタイは両国とも支配しないということを決めました。このように、大国の間やその植民地間にあり、衝突を防ぐ役割をする国を緩衝国と言います。

東南アジアの宗教・言語は旧宗主国の影響をあまり受けていない

植民地支配を受けると、言語や宗教など旧宗主国の影響を受ける場合があります。例えば、ブラジルでは公用語がはポルトガル語であり、主な宗教はキリスト教(カトリック)です。

これはポルトガルの植民地であった時代の名残です。しかし、東南アジアではこういった影響が見られないことが特徴です。以下は宗教ごとに色分けした東南アジアの地図になります。

上図の色と下の表は対応しています。

宗教
イスラム教 インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、マレーシア
大乗仏教 ベトナム
小乗仏教(上座部仏教) スリランカ、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア
キリスト教 フィリピン
チベット仏教 ネパール、ブータン
ヒンドゥー教 インド

ただ、旧宗主国の宗教の影響を受けている国が一つだけあります。フィリピンで主に信仰されている宗教はキリスト教(カトリック)であり、旧宗主国のスペインの影響を受けています。

そのため、東南アジアの宗教を覚えるときは「フィリピンだけスペインと同じ」と覚えておきましょう。

東南アジアの言語は英語のみ公用語として反映されている

以下は東南アジア諸国の公用語の一覧表になります。これを見ると東南アジアでは旧宗主国の影響を受けている国が少ないことがわかります。

公用語
パキスタン ウルドゥー語、英語
インド ヒンディー語、英語など
バングラデシュ スワヒリ語
スリランカ シンハラ語、タミル語、英語
ネパール ネパール語
ブータン ゾンガ語、英語
ミャンマー ビルマ語
タイ タイ語
ラオス ラーオ語
ベトナム ベトナム語
カンボジア クメール語
インドネシア インドネシア語
フィリピン フィリピン語、英語

このように、それぞれの国の言葉が守られ、現在でも公用語として使用されています。ただし、イギリスが支配していた国に関しては英語が公用語として残っている場合があります。

例えば、インドではヒンディー語と英語の両方を話せる人が多いため、インドでは英語が通じます。ただし、インド人の英語は訛りがひどく、聞き取りづらい特徴があります。そのため、インド人が話す英語とHinglish(ヒングリッシュ)と呼ぶこともあります。

ただし、英語が公用語として残っていることはメリットもありました。プログラミングなどITの分野では基本的に英語が使われます。そのため、英語で書かれたプログラミングの説明書などをインド人は簡単に読むことができます。

そのため、インドではITに強く世界で活躍する天才たちを多く輩出しています。ただし、英語が話せない農村部の人々とは収入に大きな格差が生まれる原因にもなっています。

なお、東南アジアの言語を覚えるとき、フィリピンには注意しましょう。フィリピンの旧宗主国はスペインであったはずなのに、公用語はスペイン語ではなく英語になっています。

実は、フィリピンは1565〜1898年までスペインの植民地でしたが、その後1898〜1946年までアメリカ合衆国の植民地となったのです。ここで英語教育が行われたため、フィリピン人の多くがタガログ語だけでなく英語も話せるようになったのです。

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