イスラム教徒の女性のイメージとして、肌の露出をせず頭まで何か被っている姿が印象的です。なぜイスラム女性は肌の露出を制限されているのでしょう。
「女性ばかり服装を制限するなんて女性蔑視だ!」と思う方もいるようですが実は、イスラム教は女性思いの宗教なのです。その点も含めて説明したいと思います。
なぜ肌を隠すのか、宗教上の理由
なぜ肌を隠すのか、簡潔に言うと、もともとは女性を守るためです。イスラム教における倫理は「人間は弱いものだ」という前提から成り立っています。
弱いというのは例えば毎日やると決めたのについ怠けてしまうとか、ダイエットすると決めたのに間食をしてしまうとか、意思が弱いということです。
人間は意志が弱いので、女性が肌を露出して歩いていると男性の理性を崩壊させてしまうと考えているのです。理性の崩壊した男性による性暴力を危惧しているのです。
イスラム教には婚前の性交渉についても戒律があり、それを遵守するためにも女性は肌を避けなければならないとされます。
ヒジャブ、ニカーブ、チャドル
肌を隠す布の種類もヒジャブ、ニカーブ、チャドルなどたくさんの種類があります。
まず、最も一般的なものがヒジャブです。これは様々な色や柄のものがあり、最近はファッションとしても受け入れられています。普通の洋服とあわせても比較的自然なのが特徴です。
ニカーブというのは、目以外の顔と髪を覆うものです。全く顔がわからなくなりますし、ほとんどが黒一色のものなので、日本人からすると怖いと感じてしまうかもしれません。
チャドルというのは顔以外の全身をすっぽり覆うもので、やはりこれも色は黒系のみです。様々な種類のものがありますが、今はほとんどの女性がカラフルなヒジャブを着用しオシャレを楽しんでいます。
イスラム女性、海水浴はどうするの?
また、最近ではブルキニというムスリム女性のための水着も販売されています。日本の女性用水着というと真っ先に思い浮かばれるのはビキニですが、あのような露出の激しい服装は絶対着てはいけないのがムスリム女性です。
ブルキニは顔と足首から下以外すべてを覆った水着になります。全身タイツのような見た目で、ヒジャブと同じように様々な色や柄があります。スカートが付いているものが多く、女性らしい作りになっています。
ムスリム女性もオシャレを楽しみたい気持ちは他のどの国の女性とも同じなのです。しかし一方で、フランスの海水浴場でブルキニが禁止されていることが話題になっています。このことについては様々な批判が飛び交っています。