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旧宗主国:ラテンアメリカ編

植民地
他の国から移住してきた人たちに開発されて、移住者の国によって統治された国や、武力によって奪われた国のこと。
宗主国
植民地を統治している国のこと。

 

植民地支配は大航海時代から始まって、第二次世界大戦まで先進国が領土を広げようと行ってきました。
植民地をたくさん持っていると、資源を調達できたり、労働力を獲得できたりと宗主国にとっては都合がいいものです。

 

植民地側にとっては宗主国の人間から差別を受けたり、貿易をしても自国の利益が少なくなるよう支配されたりと良い関係であるとは言えませんでした。

 

そのため、第二次世界大戦が終戦した後、世界中の植民地が独立国家として誕生しました。
独立したと言っても長年宗主国に支配されてきたため、影響が残ります。
例えば言語、宗教、混血、内戦

 

旧宗主国を理解していれば、以前植民地だった独立国家の特徴が理解できます。

ラテンアメリカ旧宗主国

 

旧宗主国

言語

旧植民地

スペイン

スペイン語

ブラジル以外の南米

中米

キューバ、ドミニカ

ポルトガル

ポルトガル語

ブラジル

イギリス

英語

カリブ海の島国

ベリーズ、ガイアナ

フランス

フランス語

ハイチ、ギニア

オランダ

オランダ語

スリナム

イギリスの旧植民地(カリブ海の島国)一覧

・セントクリストファー=ネービス

・アンティグア=バーブーダ

・ドミニカ国

・セントルシア

・バルバドス

・グレナダ

・トリニダード=トバゴ

 

言語

旧植民地で使われている言語は旧植民地の言語と完全に一致しています。
大航海時代、コロンブスによって発見されて新大陸はスペイン・ポルトガルの支配を強く受けました。

 

ブラジルはポルトガル語
ブラジル以外の南米はほとんどスペイン語

 

アメリカのメキシコに近い地域ではヒスパニックと呼ばれる人が多いという特徴があります。
ヒスパニックとはスペイン語を話すラテンアメリカ出身の人です。メキシコからの移民が多い証拠です。
ヒスパニックが多い地域での大統領演説はスペイン語で行われるほどです。

 

人種

ラテンアメリカでは混血の割合に特徴があります。混血とはいわゆるハーフのことです。
ラテンアメリカには次のような人種があります。

 

原住民(インディオ)のモンゴロイド(黄色人種)
スペインポルトガルからのコーカソイド(白色人種)
奴隷としてアフリカから来たネグロイド(黒色人種)

 

 

モンゴロイドとネグロイドの混血をサンボ
ネグロイドとコーカソイドの混血をムラート
コーカソイドとモンゴロイドの混血をメスチソ

メキシコ

ペルー

キューバ

 

 

 

ブラジル

アルゼンチン

 

 

特徴
アンデス山脈に近い国(メキシコ、ペルー)ではインディオの数が多いので入植者の白人との混血メスチソの割合が多いです。
インディオとは先住民のことです。アメリカやカナダでの先住民をインディアンというのに対し、
ラテンアメリカでの先住民をインディオと呼びます。
メキシコはマヤ文明、ペルーはインカ帝国と古代文明が栄えたので先住民と関連付けできます

 

キューバなどのカリブ海に近い国では黒人と白人の混血であるムラートの割合が多いです。
黒人はアフリカから奴隷として連れてこられました。
彼らの子供がムラートということになります。ブラジルでは黒人とインディオの混血であるムラートも見られます。

 

アルゼンチンまで行くと、黒人は少なくなります。ほとんどが入植者の白人です
混血はインディオと白人のメスチソということになります。

 

豆知識 人種のるつぼとサラダボール
「るつぼ」というのは金属を混ぜ合わせる時に使う道具です。
銅とニッケルを、るつぼに入れて熱で溶かして冷やすと、白銅という合金ができます。
つまり、異なる人種間で夫婦となり混血の子供が生まれ、文化や風習も混ざります。
まさにラテンアメリカを表現しています。

 

「サラダボール」はトマトやキャベツ、キュウリなど様々な野菜が入っていますが、
いくらかき混ぜてもそれらは混ざり合うことはありません。
つまり、異なる人種間で夫婦となる人が少ないということです。人種や文化も混ざり合いません。
これは、アメリカ合衆国を表現しています。人種差別の影響が残っているということでしょう。

 

宗教

スペインやポルトガルではキリスト教が信仰されています。
その宗教が植民地でも広められました。
特に、キリスト教の中でもスペインやポルトガルはカトリックです。

 

つまり南米、中米ではキリスト教のカトリックが進行されているということになります。
ブラジルは世界人口第5位の国でその大部分がカトリックを信仰しています。
世界で一番カトリック人口が多い国は意外ですがブラジルなのです

 

農業

植民地の農業は宗主国へ輸出するためのプランテーション農業が主流でした。
現在もその影響が残っている場合が多いのです。
プランテーション農業を行うとモノカルチャーが目立つようになります。

 

中米ではバナナの輸出が盛んです。
上位5か国のうち4か国が中米の国です。

 

バナナの輸出国(2007年)

万t

エクアドル

517

29.3

コスタリカ

227

12.9

フィリピン

179

10.2

コロンビア

164

9.3

グアテマラ

141

8.0

 

大土地所有制

新大陸では1農家当たりの耕地面積が広大です。
ラテンアメリカでは植民地時代に宗主国の人間が手に入れた耕地をラテンアメリカの人間が購入しました。
この土地を買った植民地の人間が大地主になって小作人に土地を貸し出しているのです。

 

ごく一部の人が広大な土地を所有し、小作人は他人の土地で働かざるをえない。
大地主は土地を持っているだけで大儲けできます。これが大土地所有制です。
貧富の差が広がるため、メキシコなどでは大土地所有制は解体されました。

 

「大土地所有制」は次のように呼ばれます。
ブラジルではファゼンダ、メキシコやペルーではアシェンダ、アルゼンチンではエスタンシアと呼ばれます。

 

 

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