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V字谷、等高線:徳島県の地形図



徳島県三好市 大歩危駅付近の地形図

地形

地形図に縮尺が記載されていない場合は、まず地形図の縮尺を求めます。地形図の縮尺を求める方法の一つに標高と等高線を用いた方法があります。

 

地形図中央の水準点は185.2mです。
地形図上部の三角点は445.8mです。

 

この間に等高線の計曲線(太線)が5本あるため、系曲線の間隔を求めると次のようになります。
445.8-185.2=54.12m

 

したがって、この地形図は2万五千分1地形図であることが分かります。主曲線は2万五千分1地形図であれば50mおき、5万分1地形図であれば100mおきになるためです。

 

主曲線(細線)を用いて計算すればより正確な計算結果が現れますが、等高線を数えるのが面倒な場合は大まかに計算するとよいでしょう。

 

次に等高線から分かる情報として、傾斜があります。等高線が疎になっている場所は緩やかな斜面を表し、逆に密になっている場所は急斜面な斜面であることを表しますさらに急斜面で等高線では表せない場所は崖の記号であらわされます。この崖の記号は地形図において吉野川の両岸に見られます。

 

このように河川が深い谷を流れ、谷の断面がV字形となる谷をV字谷と呼びます。V字谷は山間部や流速の早い場所など浸食が活発に起こる所で見られます。したがって、V字谷の周辺は土砂災害の多い場所であるともいえます。

 

そして、鉄道や道路は等高線に沿って走るという特徴があります。同じ等高線上を進めば高低差の無いルートとなり、等高線に直角に進めば高低差の多いルートとなるためです。

 

JR土讃線(どさんせん)は香川と高知を結ぶ鉄道で、大歩危駅付近では吉野川沿いを走ります。美しい峡谷を楽しめる区間ですが、台風や大雨の際には土砂災害による運休が多い区間でもあります。

 

村落・住宅地

地形図から分かる通り、平地が少なく、ほとんど住宅街はありません。また、高齢化や若者の流出による少子高齢化、過疎化が強い地域です。過疎が進むと地域社会の機能が低下し、住民が一定の生活水準を維持することが困難となります。

 

例えば、人口減少に伴って医師の数が減少します。すると病院や診療所の数も地域から減少します。このような地域で急病を発症し、救急車を呼んだとしても都会と比較して適切な医療を受けるまでに多くの時間を要する可能性が高くなります。

 

このような医療が確保できない地域の事を医療過疎地と呼び、全国的に大きな問題となっています。そこで、山間部における急病人に適切な処置を行うために、救急車ではなくヘリコプター(ドクターヘリ)で機能の整った病院に搬送する取り組みが行われています。

 

このように地域に人が少なくなると、モノ、資源、サービスなどが少なくなり、生活水準が低下してしまいます。これが医療にかかわらずすべての事に当てはまります。

 

当然、教育現場にも影響が現れますが、この地形図には一つの教育機関を見つけることができます。地形図の右下にあるのは小学校です。地図記号の「文」は小学校または中学校、文に○がつくと高等学校を表します。

 

また、山間部には祖谷(いや)と呼ばれる地域があります。この地域は隠田百姓村(おんでんびゃくしょうむら)に分類される村落です。隠田百姓村は落武者や貧しい農民が人目を避け山間地に定住してできた集落です。

 

祖谷地方では平安時代の源平合戦(屋島の戦い)に敗れた平氏一族がのがれ、この地に定住したと伝えられます。

 

産業

このような山間部では平地が少ないため、稲作には不向きです。そこで、山を切り開き農地を作り、ソバなどの自給的な作物に加え、タバコ、茶、養蚕などの商品作物を栽培することで生計を立ててきました。

 

しかし、時代とともに産業構造が次のように変化しました。
一次産業(農業、林業、漁業)→二次産業(建設業)→三次産業(サービス業)

 

そのため農地の後継者不足により、切り開いた農地を管理する人が減り、農業が衰退するという現象が起こりました。

 

現在、この大歩危(おおぼけ)周辺地域は、従来の産業に加えて、V字谷や美しい峡谷を活かした観光産業が盛んです。夏季にはラフティングや遊覧船を楽しむことができます。ラフティングは急流をゴムボートで下るレジャースポーツで、吉野川の急流は最適な環境となっています。

 

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