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カルスト地形:この地図記号で判断できる

 

カルスト地形という地形があります。代表例では右の写真の山口県にある秋吉台、海外では中国の桂林が有名です。

 

カルスト地形にはドリーネ、ウバーレ、ポリエ、鍾乳洞、タワーカルストなどの特徴的な地形がみられます。

 

 

 

カルスト地形で見られる地形

ドリーネ 主に溶食によって形成されるすり鉢状の窪地。 直径数m〜数百m
ウバーレ ドリーネがつながった窪地。
ポリエ さらに大規模な窪地。
鍾乳洞 地下に流入した雨水で石灰岩が溶けてできた洞窟
タワーカルスト 石灰岩が大規模に溶けて生じた地形。中国の桂林が有名。
ドリーネ、ウバーレ、ポリエは全て窪地

カルスト地形では窪地、つまり凹んだ地形が多くみられます。カルスト地形は主に石灰岩が雨水や地下水によって溶けることによって形成されます。溶けた部分が窪地となっています。

 

ドリーネ、ウバーレ、ポリエは全て窪地の名前です。これらの違いは大きさと形成される順番です。ドリーネ→ウバーレ→ポリエの順に大きな窪地となり、形成もこの順番に従います。

 

ドリーネは最も小さく直径が数mの窪地もドリーネです。落とし穴のような窪地です。実際に秋吉台では小さなドリーネには柵で囲われ、落下防止のため立ち入り禁止となっています。ドリーネの窪地は地下の鍾乳洞に繋がっていることもあり、落ちたら出てこられなくなるかもしれません。

 

ウバーレはドリーネ同士が繋がって、さらに大きな窪地となったものです。窪地は雨水によって徐々に溶け大きくなっています。隣り合ったドリーネ同士が成長し繋がります。

 

ポリエはドリーネやウバーレがさらに拡大し繋がった大規模な窪地で、都市がすっぽり入ってしまう程に大規模です。ポリエのことを溶食盆地とも言います。

 

 

鍾乳洞は地下の空洞

鍾乳洞もカルスト地形で見られる地形です。ドリーネなどの窪地は石灰岩でできた地形の表面部分が雨水によって溶けて形成されるのに対し、鍾乳洞は地下の石灰岩が地下水によって溶けて形成されます。

 

鍾乳洞の内部は鍾乳石や石筍と言った特徴的な環境が見られるため観光地として楽しむこともできます。山口県の秋芳洞が有名です。

 

タワーカルストと言えば桂林

カルスト地形の一種にタワーカルストがあります。中国の桂林が有名で観光地にもなっています。

 

タワーカルストに見られる山々は石灰岩が溶けずに残った部分です。

 

雨水によって石灰岩が少し溶けると窪みになりますが、大規模に溶けると、窪みと言うより溶けなかったところが目立ちます。これがタワーカルストです。

 

桂林は中国南部にあり、夏のモンスーンにより雨が多い地域です。この雨で石灰岩の上を川が流れ、川の部分が溶かされて低くなり、川が流れていない場所は溶食の影響が少ないために残ります。大規模に石灰岩が溶けていることが分かります。

 

Photo by チャイ語なび

秋吉台はカレンフェルトが見られる

カルスト地形にカレンフェルトと言う地形があります。石灰岩が地表に現れ、無数に林立する地形で秋吉台で見ることができます。秋吉台には秋芳洞と言う鍾乳洞もあり日本で最大のカルスト台地となっています。

 

地形図での窪地の表し方

カルスト地形の地図-山口県秋吉台 (外部リンク:地理院地図)

 

地形図では右のようにして凹地(窪地)を表現します。このような地図記号が頻発していたら、それはカルスト地形の地形図だと判断してokです

 

カルスト地形で多く見られるドリーネは窪地、つまり、へこんだ地形です。

 

高さの違いを地形図で表す場合は等高線を用いますが、1/25000の地図では等高線は10mおきに引かれているので、10mより浅い窪みは表現できません。

 

そこで図のように等高線で囲まれた内側に向けて矢印を書いて窪地を表現しています。または、等高線の内側に線を書いて影を表現します。「盛土部」「切土部」と同じように、線がある方が低いです。

 

鍾乳洞が形成される過程

石灰岩は水に溶ける

石灰岩の地層は昔、浅く暖かい海だった所に生じるケースが多いです。なぜなら石灰岩はサンゴの化石が基になっている場合が多いからです。

 

その石灰岩が地殻変動によって陸上に現れ、雨水や地下水によって溶かされます。

 

V字谷やU字谷のように川や氷河によって岩が削り取られるのではなく、本当に石灰岩は水に溶けてしまいます

 

鍾乳洞ができるまで

鍾乳洞が生じる場合、地下水によって石灰岩が溶かされて洞窟ができます。その後、雨水が地表から染み込んで洞窟の天井の石灰岩を溶かします。このときツララ状の鍾乳石が形成されます。鍾乳石の下にはタケノコ状の石筍(せきじゅん)が形成されます。

 

長い時間をかけて鍾乳石と石筍が成長するとこれらは繋がり、柱のようになります。

 

実はこの石灰岩が雨水に溶けるという現象は次の化学反応式で表すことができます。
 

 

石灰岩の主成分は炭酸カルシウムです。この炭酸カルシウムは通常の水つまりH2Oには溶けませんが、ここに雨水や地下水のような二酸化炭素が溶けた水が存在すると炭酸水素カルシウムという物質に変化し、水に完全に溶けた状態となります。

 

雨水によって石灰岩が溶けて、炭酸水素カルシウムを含んだ水が鍾乳洞の天井から滴となって落ちますが、その途中で逆反応が起こり、再び炭酸カルシウムが析出し、鍾乳石を形成します。

 

滴が落ちてから逆反応が起こり、溶けていた炭酸水素カルシウムが炭酸カルシウムに戻り石灰岩となり、これが石筍となります。逆反応が起こらないと、そのまま水として流れていきます。

 

 

まとめると次のようにして鍾乳洞が形成されます。

雨水で鍾乳洞の天井が溶ける。
滴が落ちる前に逆反応で炭酸カルシウムが析出し、鍾乳石ができる。
滴が落ちたときに逆反応が起こり、石筍ができる。

 

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