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フィヨルド:偏西風が当たる海岸に分布

 

海面上昇によって形成された海岸のことを陸地が水に沈むということで沈水海岸と言います。沈水海岸はリアス式海岸、フィヨルド、エスチュアリーといった地形があり、今回はその中のフィヨルドです。

 

フィヨルドとは氷河によって形成されたU字谷に海水が流れ込み入り江となった海岸地形のことです。氷河地形でもあり、海岸地形でもあるフィヨルドは珍しい地形で、ノルウェーやニュージーランドなどのフィヨルドは世界遺産に登録されています。

 

 

フィヨルドの形成

フィヨルドはU字谷の形成と海水の流入という2段階の工程を経て出来上がります。

 

U字谷の形成
氷河は寒い地域の山で降った雪が年中溶けず圧縮されゆっくりと山のふもとに向かって流れていきます。氷河が山から流れてくる途中で山肌を削り取り、これによってU字谷と呼ばれる谷が形成されます。

 

氷河期には現在より多くの土地が分厚い氷河に覆われており、この時期にU字谷ができました。最近の氷河期は今から約1億年前に終わりました。

 

海水の流入
氷河期が終わると、U字谷にあった氷河が溶けます。世界中でも陸上に合った氷河が溶けて海面が上昇しました。これによってU字谷に海水が流れ込みフィヨルドが完成します。

 

U字谷は断崖絶壁

氷河は1日に1m程度の速さで進みによって山肌を削ります。このとき谷の底だけでなく谷壁も削ります。従ってフィヨルドでは垂直な岸壁が多数見られます。また崖の高さも高く、水深も深いのです。海面から1000mを超える崖が見られたり、フィヨルドにフェリーが入れたりします。

 

河川によって形成されるV字谷ではU字谷はできません。氷河は河川に比べて体積が大きく、重いため大規模に谷底も谷壁も削ることができるからです。

 

U字谷の特徴

 

 

フィヨルドの分布

フィヨルドは氷河が削ったU字谷に海水が流入した地形です。従って氷河ができる地域で、海に近い地域に見られます。

 

有名どころとしてはノルウェー、グリーンランド、チリ南部、ニュージーランド南島西部、アラスカです。フィヨルドは偏西風が吹きあたる海岸によく分布しています。

 

偏西風は海から湿った風を運んできます。氷河期も同様に湿気を運び海岸付近の山に雪を降らせ、氷河を発達させます。その氷河がフィヨルドを形成したのです。

 

世界のフィヨルドの分布と偏西風
 

 

その他の特徴

大都市は形成しにくい
フィヨルドでは大都市は形成しにくいという特徴があります。フィヨルドは平坦な土地が少なく、多くの人が住めません。また、海と断崖絶壁に囲まれているので交通の便が悪く、人や物の移動ができません。

 

農地は少ない
フィヨルドは氷河によって削り取られた地形です。そのため土壌が削られ、土地がやせています。ノルウェーでは耕地面積は国土の3%以下であり、農業には向いていません。

 

他の沈水海岸
リアス海岸:海面上昇によって形成
エスチュアリー:ヨーロッパに多い海岸地形 

 

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