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扇状地:水はけが良く果樹園が多い

 

河川が山地を流れる過程で土砂を削り、川の流れによって下流に運ばれてきます。その土砂が平地に流れて堆積した部分は扇の形となり、扇状地と呼ばれる地形ができます。

 

川が山肌を削り取って形成されるので、川の傾斜が急である方が土砂の供給が多く、その川の下流で扇状地が形成されやすくなります。日本の川は海外に比べて急なものが多いので日本では扇状地が多くみられます。

 

川によって削られた山はV字谷となります。関連して、U字谷は氷河によって山が削られた場合見られます。U字谷に海水が浸入したものをフィヨルドと言います。

 

扇状地に果樹園が多い理由

扇状地の扇央(扇状地の中腹あたり)には果樹園が多いことが特徴です。その理由は扇央は水はけが良いからです。

 

果物は植物なので水は必要ですが、必要以上に水をやると、根腐れによって木が枯れてしまったり、病気になったりします。また、与える水が少ないほど、果実の甘みが濃縮されて甘くなるような品種もあります。

 

水はけが良いというのは、水をあげたり雨が降った後、水分が地面に染み込んで乾きやすい場合を言います。逆に水はけが悪いというのは、水分が地面に溜まり乾燥しにくい場合を言います。

 

水はけが悪い例として、稲は田植えの時期に田んぼに水を張っていなければならないので水はけの悪い土壌が適している作物です。

 

扇状地は扇頂から扇端に向かって標高が低くなっています。この傾斜に果樹園を作ることで日当たりが良い場所で育てられるという理由もあります。

 

扇状地はなぜ水はけが良いのか

山から土砂が川によって運ばれ、平坦になった所に堆積したものが扇状地です。扇状地の土壌は比較的大きな岩によって構成されています。重たい岩は遠くまで転がらないので、扇状地に堆積するためです。一方軽い砂は水によって扇状地より先に運ばれていき、海の近くで三角州などを形成します。

 

大きな岩でできた土壌は隙間が多く、水が染み込みやすい。つまり水はけが良いということになります。

 

扇央部分は水はけが良いので水無川ができる。

扇状地は川によって形成されるので、扇状地には川が見られます。ところが特に扇央を流れる部分は水無川となる場合が多いです。水無川とは文字通り水の無い川ということです。ただし、一年中水が無い訳ではなく、降水量の多い時期や雪解け水が多くなる時期には山から流れてくる川の水量が増すため水無川に水が流れます。

 

扇状地は大きな岩で構成されているので水は地中に染み込んで、地上では水が見えなくなります。地下に染み込んで流れることを伏流するといい、伏流した水を伏流水と言います。

 

盆地は扇状地が多い

盆地とは周囲を山に囲まれた平地でお盆のような形の地形です。代表的な盆地は山梨県の甲府盆地などがあります。扇状地は山から平地に川が流れる所に存在します。

 

周りを山に囲まれた盆地はこのような扇状地が多いのです。山梨県はぶどうなどの果物が有名です。これは甲府盆地に多く存在する扇状地で作られています。

 

扇端に集落ができる理由

扇状地の扇端には集落が存在することが多いです。その理由は水を得やすいからです。人の生活に水は必要不可欠なため、集落は川の近くや、湧水の近くにできやすいという特徴があります。扇状地の扇端は湧水が得られる地域です。扇央部分で川の水が伏流し、その伏流水が扇端で出てきます。

 

伏流水は、勝手に湧き出てくる場所もあれば、井戸を掘って得る場所もあります。いずれにしても扇央より簡単に水を確保できます。

 

 

天井川とは

天井川と呼ばれる川があります。天井川は周囲の平地より高い所を流れる川です。そして、天井川は扇状地を流れる川など、山から流れ出る土砂が多い地域に見ることができます。

 

山から流れてくる土砂が多いと、川底にその土砂がたまります。すると川が浅くなり氾濫を起こします。それを防ぐために堤防を高く作ります。

 

さらに土砂が上流から流れてきて川底に溜まり、川が浅くなり氾濫を起こします。それを防ぐために堤防をさらに高く作ります。このようなサイクルで川が高い所を流れるようになります。

 

 

 

扇状地の地形図

扇状地の地形図 (外部リンク:地理院地図)

 

 等高線

山から土砂が流れてきて堆積しているので山に近い方つまり扇頂がもっとも標高が高く、扇端が標高が低くなっています。これを地形図で見ると、一本一本の等高線が弧を描いており、等高線はほぼ等間隔となっています。等高線の間隔が等しいということは傾斜が一定だということを表しています。

 

また、道路・線路は高低差が小さいところを通ります。そのため扇状地の等高線に沿って弧を描くように作られます。同じ等高線上は標高が等しく、高低差が小さいということになります。

 

果樹園

果樹園は水はけのよい扇央に存在します。傾斜を利用して日当たりのよい環境を利用しています。
果樹園の地図記号は次のようにあらわされます。
 

 

扇状地の扇央を流れる川は伏流し、水無川となります。この水無川を地図記号では点線で表されていることがあります。

 

また、砂防ダムが建設されていることがあります。扇状地は山から流れ出る土砂によって形成されます。このような地域では大雨の時に土石流などが発生しやすいので、その土砂を抑える目的で砂防ダムが作られています。

 

扇状地を越えて平地を流れる川は天井川となっていることがあります。それを判断する地図記号は、「盛土部」です。「盛土部」は次のような記号で表されます。

 

さらに、次のように中央に川を描くと天井川が表現されます。川の両岸に土が盛られており、高くなっているという意味です。
 

 

集落

扇状地の扇央部分には家は少なく、扇端に密集しています。なぜなら、伏流水が湧水として得られるからです。また、扇頂部分も山から流れてくる川の水を得やすいので小さな集落ができていることもあります。

 

ただし近年は宅地開発で扇央部分にも住宅街ができています。ですが扇央は大雨の際に土砂崩れによって被害を受けやすい地域となります。

 

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