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破傷風:30歳以上は要注意

 

破傷風は破傷風菌と言う細菌に感染することで発症する感染症です。日本では毎年約100人が感染しています。死亡率は40%と言う報告もあります。

 

破傷風と言えば、三種混合ワクチンを思い出す方もいると思います。三種混合ワクチンとはジフテリア・百日咳・破傷風の3つの病原菌に対するワクチンのことでDPTワクチンとも言います。

 

日本人の多くの方は三種混合ワクチン接種を済ませています。そのため、破傷風には感染しないと思うかもしれません。しかし、ワクチン接種を済ませていてもは破傷風に感染しないとは限りません。

 

破傷風の感染経路(どのように感染するか) 

破傷風は破傷風菌と言う細菌によって感染します。破傷風菌は土の中に生息する細菌で日本にも生息します。土の中に存在している破傷風菌が傷口から体内に侵入すると、破傷風菌の毒素にやられてしまいます

 

そのため、傷口に土が付着している場合は土を洗い流して消毒をしましょう。特に深い傷では体内に細菌が届きやすいので注意が必要です。

 

 破傷風菌は熱、乾燥、薬剤に耐性がある
破傷風菌は熱や乾燥、薬剤に対して強い耐性を持つ状態になる事ができます。これを芽胞(がほう)と言い、芽胞の状態から元に戻ることもできます。元に戻ると増殖してヒトの体内では毒性を発揮します。

 

傷口には芽胞の状態で付着することが多く、オキシドールなどで消毒しても死滅しないので体内に入ります。体内に破傷風菌が浸入したときのために、予防として三種混合ワクチン接種が重要となります。

 

 破傷風菌は酸素に弱い
破傷風菌は酸素を嫌う性質があります。酸素に触れる状態では前述の芽胞状態となって身を守ります。土の中では酸素が少なく、芽胞から元に戻りって増殖することができます。

 

また、傷口を絆創膏などで完全にくっつけてしまうと、傷口に酸素が届かなくなり破傷風菌が芽胞から元に戻り増殖してしまいます。傷口をピッタリ塞いでしまうのはあまり良くありません

 

破傷風の症状

 世界で2番目に強い毒は神経毒
破傷風が出す毒素は神経毒の一種でテタノスパスミンというものです。世界で2番目に強力な毒とも言われます。ごく少量でヒトの致死量となります。

 

ちなみに世界最強の毒素はボツリヌス毒素でボツリヌス菌が出します。また、破傷風菌とボツリヌス菌は共にクロストリジウム属の菌で形態的に親戚のようなものです。

 

傷口で破傷風菌が出した毒素は血流によって全身を巡り、神経細胞にたどり着きます。

 

 毒素が体に入ると
ヒトは脳から指令を出して神経を介して筋肉を動かします。これによって口が動いたり、歩いたりできるわけですが、破傷風毒素が神経細胞に作用すると脳からの指令をうまく筋肉に伝えられなくなります。つまり思い通りに体が動きません。

 

潜伏期間が3〜21日あり、初期症状としては口が開かなくなる開口障害、次に嚥下障害、手足の筋肉に勝手に力が入り思い通りに動きません。さらに呼吸に関わる筋肉に指令が伝わらなくなり、呼吸困難で死に至ることがあります。

 

ただし、破傷風毒素は主に筋肉に影響し、意識には問題ありません。毒素が筋肉を異常に緊張させるために発生する激痛も感じ、最終的に意識がはっきりした状態で呼吸困難となるので非常につらいです。

 

治療と予防

 治療は迅速に
破傷風毒素のテタノスパスミンは神経細胞に結合すると、二度と離れません。そのため早期治療が重要となります。全身の神経細胞に破傷風毒素が結合する前に毒素に対抗する抗毒素を投与する必要があります。抗毒素は破傷風免疫ヒトグロブリン(TIG)とも呼ばれます。

 

その他に集中治療室で様々な処置が緊急に行われます。筋弛緩薬の投与、ペニシリンの投与、人工呼吸、血圧の管理など。非常に高額な費用がかかります。

 

 ワクチン接種で予防
破傷風はワクチン接種によって予防することができます。その効果は絶大で、貧困などの理由でワクチン接種を受けられない途上国に比べ日本では非常に感染者が少ないです。世界で毎年100万〜200万人が破傷風で死亡しているという推定もありますが、日本での感染者は年間100人程度です

 

破傷風菌のワクチンは破傷風トキソイドというものを使用します。トキソイドは破傷風菌の毒素をなくしたもので、これを注射することでヒトの免疫系は破傷風の形を記憶して、次に菌が浸入したときに備えることができます。

 

三種混合ワクチンには、破傷風トキソイドワクチンが含まれています。

 

 30歳以上の成人やワクチン接種をしていない人は要注意
1968年に三種混合ワクチンの定期予防接種が開始され、破傷風感染者数は激減しました。しかしワクチン接種を受けたことがない人は破傷風菌に対する抗体が無いため感染すると非常に危険です。

 

成人でもワクチン接種ができるので怪我をした後など心配な方は確認しておきましょう。

 

また、1969年以降に生まれた方は小児期に破傷風ワクチンを接種していますが完全に予防できるとは限りません。効果が徐々に弱まっていくので10年に1回の追加免疫を行うことが望ましいと言われています。

 

最近の破傷風感染者は95%が30歳以上の成人と言うデータもあります。ワクチンによる免疫力が弱まっている世代と言うことになります。

 

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