ケッペンの気候区分:寒帯気候の特徴

寒帯気候はユーラシア大陸や北アメリカ大陸の北海沿岸地域、グリーンランド、南極に分布する気候です。寒帯気候はケッペンの気候区分ではアルファベットのEで表されます。

寒帯気候は一年の中で最も暖かい月の平均気温つまり最暖月平均気温が0℃を超えるか否かでツンドラ気候(ET)と氷雪気候(EF)に分類されます。

寒帯気候は気温が低く降水量は少ない

ケッペンの気候区分において寒帯は最暖月平均気温が10℃以下という基準で決められており、さらに最暖月平均気温が0℃以上ならツンドラ気候、0℃未満なら氷雪気候となります。文字通り寒い気候帯ですが、同時に気温の年較差が大きいという特徴もあります。

気温の年較差とは夏の最も暖かい月の平均気温と冬の最も寒い月の平均気温の差を言い、緯度が高くなるほど夏と冬の気温差つまり気温の年較差が大きくなることが知られています。

日本では寒い地域は雪が多いです。そのため寒帯地域も雪がたくさん降り降水量が多いのではないか。と考えるかもしれませんが、実は降水量は砂漠と同じくらい少ないのです。

その理由は北極や南極に近い高緯度地域では一年中高気圧に覆われているためです。これを極高圧帯といいます。極付近で冷やされた冷たい空気は下降気流となり高気圧が発生します。

逆に熱帯地域では赤道付近で暖められた空気が上昇気流となり低気圧が発生するのです。

ツンドラ気候のツンドラとは

植物の生育は気温に大きく左右されます。寒い地域であるほど育つ植物の種類は制限され、ツンドラ地域ではコケや地衣類(菌と藻が共生)といった植物が短い夏の間に育ちます。

樹木は全くと言ってよいほど見られません。ヒトが食用に栽培する穀物を育てることはできない環境です。

こうしたツンドラ地帯は寒帯や冷帯の一部の地域で見ることができます。ちなみに、ツンドラの地下には永久凍土が広がります。永久凍土とは2年以上連続して凍結している土壌のことです。ツンドラ気候(ET)では夏に永久凍土の地面に近い所が部分的に溶け、コケや地衣類が育ちます。

ツンドラ地域では降水量は少ないですが、永久凍土が溶けだしコケが保水することに加え、低温のため蒸発量が少ないので湿地帯を形成しています。このような土壌をツンドラ土と言います。

南極やグリーンランドに見られる氷雪気候(EF)では分厚い氷で覆われています。氷雪気候は年中氷に覆われコケさえも育たない環境です。

氷雪気候は平均気温が0℃を超える月がないので氷が解けません。また降水量が少ないため毎年少しずつ雪が積もって凍り氷床となるのです。要するに数千年前にできた氷が氷床の奥深くにあるんのです。

南極では氷床掘削という作業が行われます。分厚い氷を深い所から掘り出し氷に閉じ込められた気泡やチリなどを分析することで過去の環境が分かるというものです。

北欧のサーミはトナカイの遊牧をする

寒帯気候では穀物などは栽培できません。さらに牧草も育たないため家畜も飼育できません。しかし、北欧のサーミという民族はトナカイを家畜にして遊牧し暮らしてきました。トナカイはツンドラのコケ・地衣類を食べるのです。

トナカイが食べるハナゴケを求めて夏はツンドラ地域に移動して冬は南下します。北米やグリーンランドではイヌイットと呼ばれる民族がいます。彼らは狩猟民族でクジラ、セイウチ、カリブーなどを食べます。

南極には大陸があり北極には無い

南極は南極大陸と言う大陸に氷床が乗っており、北極は海水が凍って海に浮いています。地球温暖化により南極の氷やグリーンランドの氷河が溶け海面上昇につながります。

北極の氷は海に浮いているので、すべて溶けても海面の上昇にはつながりません。生態系には影響が出ますが…

また、南極は北極より寒いです。それは南極には大陸があることが関係します。気温の年較差は海から離れるほど大きくなり、冬の冷え込みが強くなります。一方、北極の氷の下には凍ってない海が広がり保温効果があるのです。

北極圏・南極圏では白夜と極夜がある

寒帯の大部分は北極圏・南極圏に属しています。これらは緯度が66度33分より高い地域を指します。北極圏や南極圏では白夜と極夜があります。白夜は夏に日が沈まない、極夜は冬に日が昇らないという現象です。

これは地軸が約23度傾いているために起こります。極夜日が昇らないので気温は大きく低下します。また、高緯度地域で見られる気象現象としてオーロラがあります。オーロラは太陽風と地球の磁場の影響で発生すると考えられています。

春に南極上空にオゾンホールが出現する

上空10~30kmにはオゾン層が存在します。オゾンはエネルギーが強く有害な紫外線を吸収し、地表へ届く紫外線量を減らす役割があります。

しかし南極上空ではオゾンの量が少なくなるオゾンホールが出現し有害な紫外線が地表に届きやすくなるのです。

オゾンが減少する原因としてフロンガスがあります。フロンガスは冷蔵庫の冷媒、スプレーの成分などとして使われた物質です。フロンガスは非常に安定で軽いため、上空へ到達しオゾンを分解する作用があるのです。

有害な紫外線を多量に浴びると皮膚がんや眼の病気のリスクとなるとされています。大きなオゾンホールは9月から10月の春、南極上空に出現します。季節性がある理由は冬に極成層圏雲が上空に出来るためとされています。

極成層圏雲は極度の低温で冷やされ上空の気体が固体となったチリの集まりです。この発生がオゾンホールの出現に関わっているのです。南極は北極より気温が低いため極成層圏雲ができやすいのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA