旅の情報〜地理の世界から〜|センター地理・地理B・地理A・地理学の解説・勉強

ハイサーグラフ:全気候を解説

ハイサーグラフは縦軸に気温、横軸に降水量をとり、各月の気温と降水量が一致する点を1月から12月まで結んだグラフです。ハイサーグラフはかなり苦手意識を持っている方が多い気がしますが、コツさえ覚えれば簡単です。
そのコツとは・・・
ハイサーグラフを雨温図に自分で書き直すことです
ハイサーグラフを見たらその隣に手書きで雨温図を書けばいいのです。大まかに最高、最低気温、乾季の時期などを確認できる程度で雨温図を書きます。

 

中学校の時から慣れ親しんだ雨温図の方が、視覚的にわかりやすくなります
ハイサーグラフを雨温図に書き直すことができれば、ハイサーグラフの知識は必要ないですが、一応ここではそれぞれの気候に応じて見るべきポイントを紹介していきます。

 

またそこまで重要なことではないですが、
ハイサーグラフでは同じ気候なら北半球と南半球のハイサーグラフの形は同じになります。
つまり、ハイサーグラフのプロットに何月なのか書かれていないと北半球、南半球は区別できませんが、気候区分は判別可能です。

 

ではここからそれぞれの気候のハイサーグラフを確認していきます。

 

熱帯気候 A

Af シンガポール

ハイサーグラフ

雨温図

Af 気候のハイサーグラフは一点に集中するという特徴があります。
年中気温が高く、雨も多いのが理由です。

 

 

Aw ダーウィン

ハイサーグラフ

雨温図

気温が年間を通して高いが、ハイサーグラフが降水量0にくっついています。またこの時少し気温が低いので冬乾燥で冬に乾季があることが分かります。

 

 

Am マイアミ

ハイサーグラフ

雨温図


気温は年間を通して20℃以上と暑く、目立った乾季がありません。(グラフがぴったりy軸に接してないのがポイント)これは弱い乾季のある熱帯雨林気候ということでAm ということになります。

砂漠気候 B

BW  カイロ

ハイサーグラフ

雨温図

 

砂漠気候はハイサーグラフがy軸に完全に張り付いています。ほとんど雨が降らないためにこうなります。
ここで一つ注意ですが、たまに「砂漠=暑い」と思い込む人がいますが、気温は基本的に緯度で決まります。カイロは赤道直下ではなく、北緯30°程なので雨温図の気温のグラフは上のように月平均気温が15℃くらいの月もあります。

 

BS サンディエゴ

ハイサーグラフ

雨温図

BSも雨が少ないのでy軸に接します。BWとBSを区別するときは雨が少ない方がBW、多い方がBSです。上のカイロとサンディエゴを比べるとその違いが分かります。 正確には乾燥限界値r を計算しますが、考える時間が無駄なので省略します。センター試験では無意味な知識です。

 

温帯 C

Cs ケープタウン

ハイサーグラフ

雨温図

唯一,分布を覚えた方がいいCsですがハイサーグラフは上のようになります。気温が高いときハイサーグラフがy軸に接しています。つまり夏乾燥。反対に冬は降水量があるので、ハイサーグラフが右の方に延びていきます。
Csの分布は→ケッペンの気候区分:温帯気候Cfa、Cfb、Cs、Cwの気候因子

 

Cw  香港

ハイサーグラフ

雨温図

 

乾季(y軸の近く)を見ると、気温が低いので冬乾燥だと分かります。なのでCw気候です。中国大陸の冬は日本と違ってほとんど雪が積もりません。ただただ寒い冬が一般的です。

 

Cfa 東京

ハイサーグラフ

雨温図

最寒月平均気温が−3℃以上で温帯です。また目立った乾季がないためCf です。季節によって降水量に差が出ているのでCfa となります。ここで目立った乾季というのはCs、Cw を見ると分かるように、ほとんどy軸に接しているときのことを言います。

 

Cfb ウェリントン

ハイサーグラフ

雨温図

今回のハイサーグラフは降水量が一年を通してほぼ一定なので縦長のグラフになっていることが分かります。これはCfb の特徴になります。Cfb  気候は他のページでも説明したように偏西風が当たる地域に分布しています。これは年中同じ方向からの風が同じ量の湿気を運んでくるからです。今回はニュージーランドということで南半球で偏西風の当たる地域の代表なのでCfb となります。

冷帯気候 D

Dfa 札幌

ハイサーグラフ

雨温図

熱帯から順にハイサーグラフを見てきましたが、グラフがだんだん縦長になってきました。一般的に緯度が高くなるほど、また内陸ほど年較差が大きくなります。雨温図ではグラフの傾きが急になることで確認していましたがハイサーグラフではこのように縦長になります。
最低気温が−3℃以下なので冷帯です。季節によって降水量に差があるため、(偏西風が当たらないためと考えても良い)Dfa となります。

 

Dfb モスクワ

ハイサーグラフ

雨温図

Dfaよりも年間の降水量が一定です。これもCfb と同じように偏西風が当たるためです。偏西風が大西洋上の湿った空気をヨーロッパに運んでいます。目安としてウラル山脈までこの湿気が届き、ウラル山脈より東側では、しだいに大陸性の気候が現れ、最終的に偏西風からの湿気が全く届かないゴビ砂漠などの砂漠気候が現れます。

 

Dw イルクーツク

ハイサーグラフ

雨温図

最寒月が-3℃以下なのでD  気候だと分かります。気温が低いとき降水量が少ないため冬乾燥。したがってこのハイサーグラフの気候はDw とないます。

豆知識 イルクーツク バイカル湖
イルクーツクは北緯52°東経145°、バイカル湖のほとりの都市です。この辺りは海から離れており(隔海度が大きく)、緯度も高いために年較差がすごいことになっています。また、世界で最も深い湖として知られるバイカル湖ですが、三日月形の細長い形をしています。この、深くて細長い形は断層湖の特徴です。
バイカル湖は水の透明度が非常に高く、冬になると透明な氷が水面にできます。約3000万年前に海から隔離されたために独自の進化を遂げた生き物が沢山いることなどから世界遺産に登録されています。

E 寒帯

ET ディクソン

ハイサーグラフ

雨温図

 

ツンドラ気候は最暖月平均気温が10℃以下の地域です。ディクソンは平均気温が0℃以上の月が年に3回ほどしかありません。そのため、地面の下には永久凍土があります。永久凍土では大木が育たずコケなどの地面をはうような植物が生息しています。

 

EF マクマード(南極)

ハイサーグラフ

雨温図

ハイサーグラフが一年を通して0℃以下の領域に留まっています。ここまで寒いのは南極やグリーンランドと言った氷雪気候になります。

 

実は寒いからと言って、雪が大量に降るという訳ではありません。寒すぎて地表が温められず、上昇気流が発生せず、水分の蒸発も少ないため雲が発生し無いからです。

 

しかし、少なからず降った雪はほとんど溶けないため長い年月を経て分厚い氷が形成されます。

 

高山気候

H キト

ハイサーグラフ

雨温図

 

標高が高くなると気温は低くなります。実は高山気候Hはケッペンの気候区分ではなく、後に加えられたもので、緯度や植生に関係なく標高が高い地域に分布します。

 

キトは緯度的には熱帯に位置しているためハイサーグラフの形は「一点集中」、雨温図の気温のグラフの形は「一直線」という熱帯の特徴が表れていますが、気温だけ下がっています。

 

これが温帯地域に分布する高山気候ならハイサーグラフの形はキトの場合と異なり、年較差は大きくなっています。しかし標高0mの温帯地域より気温のみ低下しています。

 

つまり、高山気候の特徴は気温のみに注目しなければなりません。高山気候は問われやすい地域が限られているので覚えておくと良いでしょう。
 高山気候 代表例

 

関連ページ




ケッペンの気候区分



トップページ 雨温図・ハイサーグラフ オリジナル問題集 サイトマップ お問い合わせ