雨温図の見るべきポイント
気温
気温のグラフが一直線に近いほど赤道に近い
緯度が大きくなるほど、また内陸に行くほど年較差が大 (グラフが尖る)
まずこの2つが大切です。
シンガポール |
ウランバートル |
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シンガポールは赤道直下の国です。 そのため気温のグラフはほぼ一直線です。
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ウランバートルは北緯48°に位置し、海から離れた都市です。 そのため気温の年較差は40℃もあります。 |
日本で春と秋は太陽の当たり方は同じなのに秋の方が暑いです。
気温は海水の温度に影響されます。
秋は夏に海が暑くなっているので気温も高くなります。
春は冬に海が冷たくなっているので気温も低くなります。
海水は陸に比べて比熱が小さい(熱しにくく冷めにくい)ので
近くに海があれば海の温度が陸地の気温を左右します。
赤道の海は一年中暖かいので気温も一年中暖かく一定です。
海から離れた地域では海の温度に影響されないため、太陽が当たっているとき暑く、夜は寒くなります。
砂漠の夜が冷え込むのはこのためです。
乾季の季節
気温が高きときに降水量が少なければ、夏乾季で「s」 summer のs
気温が低いときに降水量が少なければ、冬乾燥で「w」 winter のw
年間を通して目立った乾季がないとき、「f」
パース |
香港 |
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夏乾燥なので「s」 |
冬乾燥なので「w」 気温のグラフが直線でない。尖ってもない。 よって温帯気候「C」と判断できます。
これくらいの感覚で考えて大丈夫です。 ※正確な判断基準は-3<最寒月<18です。 |
雨温図から気候を考える際に、その都市が北半球か南半球に位置するかを考える必要はありません。
単純に気温のグラフから「温度が高いとき=夏、温度が低いとき冬」と考えるようにしてください。
「南半球は12月夏で8月が冬」のように考えていてはかえって混乱します。
正確には…
「s」は夏の最小雨月降水量×3<冬の最多雨月降水量
「w」は冬の最小雨月降水量×10<夏の最多雨月降水量
ですが本当に覚えにくい!
もちろん覚える必要はありません。詳しく知りたい場合は→気候区分を計算で判別
CfaとCfbの判別
どちらもC気候なので気温は同じようになります。
CfaとCfbの違いは降水量のグラフで判断します。
※Cfa・Cfbの違いは降水量ではなく最暖月平均気温22℃以上がCfa、未満がCfbで決定されますが、パターンとして降水量の方が分かりやすいです。
Cfa・・・降水量のグラフがホームベース型(北半球)
Cfb・・・降水量のグラフが長方形
ロンドン |
東京 |
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Cfb気候の降水量のグラフは長方形になります。 |
一方、Cfa気候は降水量の差があります。 モンスーンの影響で雨が多い季節があります。ただし日本海側では冬に降水量が多くなります。
目立った乾季がないのが特徴です。
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高山気候の特徴
高山気候の気温のグラフは縦方向下向きにグラフが平行移動する
年較差(グラフの傾き)は変わらない。
キト |
ラサ |
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気温のグラフが直線になるのは熱帯だけです。 |
同じように高山気候の例としてラサを紹介します。 気温のグラフを見ると年較差が18℃くらいだと分かります。 ここで既に紹介した年の年較差も見てみましょう
ウランバートル(40℃) 東京(22℃)
年較差(グラフの尖り具合)が小さくなると赤道に近いということになります。 しかしラサは、標高3650mにいちするため東京より赤道に近いにもかかわらず気温が全体的に低くなっていることが分かります。 |
海抜、約10kmまでは高度が増すと一定の割合で気温が低くなります。これを気温の逓減率と言い、100m上昇すると約0.65℃下がります。
例えば、海抜0メートルで30℃である時、富士山の頂上(3776m)では30-0.65×3776/100=5.5℃
という計算ができます。
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